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勝算なく現職の出馬断念相次ぐ 「本命」が急失速するケースも 自民党総裁選プレーバック

平成21年衆院選自民党は下野し、谷垣禎一が野党・自民の総裁となった。民主党政権が迷走を続ける中、自民は22年参院選で勝利。政権奪還の機運が高まっていた24年総裁選では、幹事長の石原伸晃が出馬の意欲を示し、谷垣は出馬を断念した。谷垣は産経新聞「話の肖像画」でこう振り返っている。

本命視された河野太郎氏(左)を破り、総裁選を制した岸田文雄氏(右)。中央は、現職ながら不出馬に追い込まれ菅義偉氏=令和3年9月29日、東京都港区(三尾郁恵撮影)

「悠々与党であるときなら『勝負しようぜ』でもいいのかもしれませんが、野党のときに一心同体ぐらいのつもりでやってきた人から『出る』と言われたわけですから、言われた瞬間に『これはもう私は辞めた方がいいな』と即断しました」

総裁に返り咲き

5人の候補による総裁選は石原が本命視されたが、福島第1原子力発電所を「福島第1サティアン」と表現する失言もあり失速。1回目の投票で1位の石破茂と2位の安倍晋三が国会議員票のみで争う決選投票に臨み、安倍が逆転勝利した。総裁に返り咲いた唯一の例だ。同年12月の衆院選で自民は政権に復帰。安倍は首相再登板を果たした。

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